あれは1店舗目を出店して2年弱経った頃の事だったと思う。
厚生局から薬局宛に書留でA4サイズの封筒が来た。
封筒の中身を見てみて、思わず生唾を飲み込んだのを今でも覚えている。
そう。新規の個別指導の案内だった。
個別指導の期日は書類の到着後おおよそ一ヶ月後となっていた。
日頃からきちんとしていたのならば、これと言って苦労もせずに個別指導本番を迎えられた
かもしれないが、調べると抜けが出てくる。(後発耐性加算の建物外の掲示等)
ルーズな自分を恨みつつも、悪戦苦闘しながら問題箇所の修正をしているうちに時間は過ぎ、気がつくと個別指導の一週間前になっていた。
業務時間外にしか作業が出来ないために本当に時間があっという間に過ぎた。
そしていよいよ厚生局から薬歴を持参しなければならない患者10名のリストが送られてきた。
もはやそこからは寝た記憶すらない。指定された患者10人分の薬歴を見直し、処方内容の
解析をして本番で突かれそうなところをひたすら洗い出し、当日を迎えた。
個別指導に持ってくるように言われた書類
(1)施設基準等の届出書の写し
(2)調剤録等(処方箋、調剤録、薬歴等)
(3)薬局の管理に関する帳簿
(4)領収書、明細書
(5)日計表、未収金簿
(6)返礼・増減点通知
(7)出勤簿
(8)伝票
(9)掲示物の写し
(10)保険薬局の現況(事前提出物)
(11)レセプト請求を外注している場合はその契約書
当日はかなり緊張していたと記憶していた。特にまずいやり方をしていたわけではないが、
再指導になったらどうしよう?そればかり考えていた。
当日指定された部屋に入ると指導官1人、薬剤師会の立会人1人、厚生局の職員4人がいた。
自己紹介の挨拶も早々に指導が始まった。
指導官が薬歴に目を通しながら質問を投げかけてくる?
「この患者さんはどういう患者さんかな?」
「小児の患者さんへはどういう服薬指導をしている?」
「薬歴はどう書いている?」
そんな質問が10回程続いた。
意外に質問が少なく、じーっと黙って聞いているのがかなり苦痛だった。
疑義照会の理由を処方箋に書いていないものがあり、そのことだけ注意されたが、それ以外
は特に注意も特になく拍子抜けしたことを覚えている。
そうこうしている間に個別指導は終わり、総括で「薬歴はよく書けていますね」との言葉を
指導官から頂くことが出来た。
正式な結果は後に書面で送られてきたが、結果は事務的なところに不備があったが、
返金なしの「経過観察」だった。
こうして個別指導の怒涛の日々は終わった。
個別指導で良く突かれそうなところや、対策もあるのだが、それはまた別の記事として
書きたいと思う。
Commentaires